ヨハネ 11:17-40 - 口語訳聖書54/55年版
17
さて、イエスが行ってごらんになると、ラザロはすでに四日間も墓の中に置かれていた。
18
ベタニヤはエルサレムに近く、二十五丁ばかり離れたところにあった。
19
大ぜいのユダヤ人が、その兄弟のことで、マルタとマリヤとを慰めようとしてきていた。
20
マルタはイエスがこられたと聞いて、出迎えに行ったが、マリヤは家ですわっていた。
21
マルタはイエスに言った、「主よ、もしあなたがここにいて下さったなら、わたしの兄弟は死ななかったでしょう。
22
しかし、あなたがどんなことをお願いになっても、神はかなえて下さることを、わたしは今でも存じています」。
23
イエスはマルタに言われた、「あなたの兄弟はよみがえるであろう」。
24
マルタは言った、「終りの日のよみがえりの時よみがえることは、存じています」。
25
イエスは彼女に言われた、「わたしはよみがえりであり、命である。わたしを信じる者は、たとい死んでも生きる。
26
また、生きていて、わたしを信じる者は、いつまでも死なない。あなたはこれを信じるか」。
27
マルタはイエスに言った、「主よ、信じます。あなたがこの世にきたるべきキリスト、神の御子であると信じております」。
28
マルタはこう言ってから、帰って姉妹のマリヤを呼び、「先生がおいでになって、あなたを呼んでおられます」と小声で言った。
29
これを聞いたマリヤはすぐ立ち上がって、イエスのもとに行った。
30
イエスはまだ村に、はいってこられず、マルタがお迎えしたその場所におられた。
31
マリヤと一緒に家にいて彼女を慰めていたユダヤ人たちは、マリヤが急いで立ち上がって出て行くのを見て、彼女は墓に泣きに行くのであろうと思い、そのあとからついて行った。
32
マリヤは、イエスのおられる所に行ってお目にかかり、その足もとにひれ伏して言った、「主よ、もしあなたがここにいて下さったなら、わたしの兄弟は死ななかったでしょう」。
33
イエスは、彼女が泣き、また、彼女と一緒にきたユダヤ人たちも泣いているのをごらんになり、激しく感動し、また心を騒がせ、そして言われた、
34
「彼をどこに置いたのか」。彼らはイエスに言った、「主よ、きて、ごらん下さい」。
35
イエスは涙を流された。
36
するとユダヤ人たちは言った、「ああ、なんと彼を愛しておられたことか」。
37
しかし、彼らのある人たちは言った、「あの盲人の目をあけたこの人でも、ラザロを死なせないようには、できなかったのか」。
38
イエスはまた激しく感動して、墓にはいられた。それは洞穴であって、そこに石がはめてあった。
39
イエスは言われた、「石を取りのけなさい」。死んだラザロの姉妹マルタが言った、「主よ、もう臭くなっております。四日もたっていますから」。
40
イエスは彼女に言われた、「もし信じるなら神の栄光を見るであろうと、あなたに言ったではないか」。